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話題の感染症について


話題の感染症について

新型コロナウイルス感染症  マイコプラズマ感染症  急性胃腸炎

現在、新型コロナウイルスが大流行しておりますが、このコーナーでは色々な話題の感染症をわかりやすく解説したいと思います。

新型コロナウイルス感染症

日本中に蔓延した新型コロナウイルスに関して、国民の皆さんは日々の生活や仕事や学校の事などに悩んでおられると思います。
      
政府は当初クルーズ船の検疫でウイルスを撃退しようとしましたが、ウイルスの拡大力にはかなわず、その後日本に上陸しその感染力により封じ込めができずにウイルスは蔓延し、市中感染化しているのが現状です。
感染によって死亡者も多数出ている現状では、不安と恐怖に駆られている事と思います。幸い国内の感染者は減少傾向ですが、ゼロにすることは出来ませんので、引き続き外出自粛とし、3蜜を避け、緊急事態宣言の解除後の第2波到来を起こさないようにピークの緩やかな患者発生率を維持しワクチンの開発を待つのが非常に重要とされています。

マイコプラズマ感染症

マイコプラズマは第3種の感染症に学校保健法で分類されています。
この法令では第3種の感染症にかかった場合、学校医やその他の医師が感染の危険性が無くなったと判断するまで出席停止の措置が取られることがあります。
したがってマイコプラズマ感染症の確定診断が下された場合には、学校に診断書の提出が求められる場合があります。
診断書は医療機関が発行するものと学校が指定する様式とがありますので、お子さんが通っている学校に直接問い合わせて下さい。
マイコプラズマの主な感染経路は、咳やくしゃみによる飛沫感染です。
したがって学校や職場など集団で生活している場では感染リスクが高まりますので、マスクの着用と手洗いの励行などでマイコプラズマ感染の予防を心がけることが大切です。
またマイコプラズマ肺炎の患者数は8~9歳がピークですが、大人でも感染します。
特にせき風邪とマイコプラズマとは混同されやすく、市販の風邪薬を飲むだけで済ませて様子を見るというケースが多くなりがちですが、市販の風邪薬は効きません。
またマイコプラズマの潜伏期間は1~3週間と通常の風邪やインフルエンザに比べて長期間であるたえ、家族やクラスメート、会社の同僚に咳の酷い人がいてその1週間後ぐらいに自分も咳が出始めたらマイコプラズマを疑う必要性の高い状況ですから、すぐに病院を受診して下さい。
マイコプラズマの抗体は長続きしないため何度も感染と再発を繰り返す可能性があります。
以前は4年に一度の間隔で流行していましたが、薬剤耐性を持つなどの理由で最近のマイコプラズマ肺炎は毎年患者が確認されています。

マイコプラズマ感染の症状

マイコプラズマに感染すると現れる症状で最も頻度が高いのは「咳」です。
これはマイコプラズマの主な感染器官が気道だからなのですが、発症する呼吸器症状としては喉の痛み、鼻水、鼻閉(鼻づまり)、発熱、乾いた咳(痰が絡むことも多い)、喘鳴音(ゼェゼェ、ゴロゴロ、ヒューヒューという呼吸音)、場合によっては呼吸困難などの症状が起こります。
また8~9歳の子供の場合、マイコプラズマが原因で起こる肺炎様の症状をマイコプラズマ肺炎と呼んでいます。
マイコプラズマ肺炎になると40度近い高熱、呼吸困難、意識障害などを引き起こし、場合によっては命に関わる場合もある重大な疾患です。

マイコプラズマが引き起こす症状には呼吸器症状以外にも2%前後の確率で脳炎や脳症、15%前後の確率で嘔吐や下痢などの消化器症状、40%以上の確率で肝機能障害、30%前後の確率で発疹や蕁麻疹などの皮膚症状などがあり、稀に心筋炎などの症状を来す場合もあります。もし次のような症状が出ている場合には、呼吸器症状が出ていなくてもマイコプラズマ感染症を疑う必要性があります。
その症状とは1.黄疸、2.倦怠感や易疲労感、3.痙攣や意識障害、4.盛り上がった赤い湿疹や地図のように広がっているかゆみの強い発疹などです。
マイコプラズマは感染力が強く、拡大のスピードがとても速いのが特徴的で、秋から冬にかけて患者が増える傾向があります。
初期症状が風邪やアトピー性皮膚炎に似ているため、これらの疾患との鑑別は素人では不可能です。
したがって風邪やアトピー性皮膚炎と思って考え、市販の薬で済ませると、適切な治療が出来ない事態を招くので、きちんと病院を受診して、迅速検査を受けてマイコプラズマ感染症の有無を判断してもらい、適切な治療を受けることが大切です。
特にマスコミ等でマイコプラズマ感染症に関するニュースが流れた年は、風邪かな?と思っても必ず病院を受診するようにして下さい。

マイコプラズマの検査と診断

マイコプラズマ感染症が疑われた場合、マイコプラズマの迅速検査(咽頭ぬぐい液)を行うのが一般的です。
迅速検査では15分程度で結果が出ます。検査精度はマイコプラズマ抗体(血液検査)を調べる検査には及びません。
したがって迅速検査以外にも、血液検査、胸部レントゲン、尿検査を行って総合的に診断が行われます。
マイコプラズマ感染症にかかると炎症反応が出ます。しかし、肺炎を起こしている割には炎症反応や白血球などの上昇は比較的低値にとどまることが多いです。
マイコプラズマ感染症にかかった場合、肝機能に異常が出るケースが多いので、生化学的検査(血液)と尿検査によって肝機能の状態をチェックします。
また胸部のレントゲンはマイコプラズマ肺炎の診断には欠かせません。
マイコプラズマ感染症には抗生剤が用いられますが、細菌やウイルスと違い、保護膜(細胞膜)を持たないマイコプラズマの場合、この細胞膜を破壊して細菌を殺すペニシリン系やセフェム系の抗生剤(通常の感染症によく用いられている抗生物質)は効きません。
そのためマクロライド系(エリスロマイシン、ジスロマック、クラリスロマイシン、テトラサイクリン系(ミノマイシン)、ニューキノロン系(オゼックス)の抗生剤(先発品のみ記載)が処方されます。
これらの薬は子供には苦い味がするため、飲む時にぐずるケースが多いので、アイスクリームに混ぜて食べさせるなどの工夫をしましょう。
中にはスポーツドリンクに溶かして飲ませようとする親もいますが、かえって苦みが強くなるので逆効果です。
マイコプラズマに効果が高いとされているのがマクロライド系の抗生剤ですが、最近ではこの抗生剤に耐性のあるマイコプラズマが登場し、マクロライド系抗生剤の効かないケースも増えています。
こうした事態の原因は薬を途中で止めてしまうことで体内の病原菌が薬に対して耐性を持ってしまうケースが殆どです。
したがって、処方された抗生剤は全て飲みきることがとても重要になります。

急性胃腸炎

急性胃腸炎とは、急性に発症する胃腸症状を主体とした疾患群です。

殆どは感染性胃腸炎で、中でもウイルス性のものが圧倒的に多い。一部に細菌性のものもあります。病原体(ウイルスや細菌)に汚染された食物が原因であれば食中毒となります。

感染経路について

食品などの原因物質からの感染経路が最も多いケースですが、原因がわからない場合も少なくありあせん。

海外旅行などで、現地の食材や飲み水で感染することもあります。ペットなどから感染する場合もあります。

症状

血便下痢嘔吐が主症状で、腹痛発熱、倦怠感を伴うことも多い。各症状の出現頻度には患者年齢や病原体による差もあるが、個人差が極めて大きいのも急性胃腸炎の特徴です。症状の持続期間も個人差が大きい部分です。

急性胃腸炎の治療

嘔吐は1日以上続くことは少なく、症状が軽症であれば口からの補水で十分です。や鼻水を主たる症状とした、一般的な風邪とは異なり、重症となり入院するケースは少数です。 入院した場合には、通常の点滴による水分補給、食事をある程度制限する、つまり消化の良いものとすることで腸管を休ませることが最大の治療であり、風邪と同じく特効薬はない。
通常、排尿が認められるまで点滴を行い、通常の食事を取って正常な便が出るまでに回復すれば通学、外出が可能となります。

嘔吐の程度が強く経口摂取が十分にできない場合、経静脈輸液(いわゆる点滴)が必要となします。特に小児などではアセトン血性嘔吐症(自家中毒)の合併が多く、こちらにも急速輸液が有効である。

嘔吐の持続期間が長く経口摂取できない状態が続く場合や、下痢が重篤で経口での水分摂取が追いつかない場合、明らかな脱水がみられる場合は、入院して十分量の輸液を行う必要がある。

ウイルス感染が圧倒的に多いため、病原体ごとに根本的に効果がある薬剤は存在しません。脱水さえ回避できれば症状は自然軽快するからです。細菌性腸炎の場合でも、よほど重症な場合を除いては抗生物質の投与は必要ありません。細菌性腸炎は実質臓器(肝臓や腎臓そのほかあらゆる体の臓器)の細菌感染や敗血症と異なり、自然軽快傾向が強いからです。

代表的な止痢薬であるロペラミド(ロペミン)は乳幼児では腸閉塞を合併しうるため使用に注意が必要です、細菌性腸炎では病原体の排泄を遅らせ重症化させる危険があるため投与してはいけないと考えられています。

急性胃腸炎の予防

急性胃腸炎の病原体の多くは人体外でも長時間生存できるため、院内感染の予防のためには標準感染予防策に加えて接触感染予防策を講じる必要がある。

自宅ではガウン手袋の着用は困難であるが、トイレから出た後、食事前、乳幼児のオムツ交換の前後などこまめに手を洗うことが必要です。紙オムツはビニール袋で密封するなどして廃棄しましょう。患者の便により汚染された衣服などは、漂白剤に浸けおき洗いするなどして消毒しましょう。

のぎ小児科

診療科目 小児一般、小児循環器、小児アレルギー
院長名 野木 俊二
所在地 〒308-0847  茨城県筑西市玉戸1270-1075
TEL 0296-28-8611
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受付時間
8:40~11:40
8:40~12:40
15:00~15:30
(予防接種外来)
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休診日:水曜・日曜・祝日