小児の心臓検診と心疾患
心疾患の存在を指摘されるのは、最近では胎児心エコー(妊娠中の健診などで施行されますが、胎児エコーは診断が難しいので、心疾患の存在や診断は胎児エコーの技量によって発見率はことなります)や新生児集中治療室(赤ちゃんの具合が悪い場合、新生児エコーは小児科が行いますが、循環器専門医が診断にあたればまずかなりの率で診断がつきます)での検査などで重篤な心疾患が発見されることが多くなりました。というか、重症の心疾患はこの時期(分娩の前後)にほとんど診断されているのが現状の医療です。
これはとても良いことで、産婦人科や新生児科の進歩のおかげと言っても過言ではありません。しかし、妊娠中の健診や新生児期の診察・検査から漏れた患者さんは通常の健診で指摘されることになり、また成人まで指摘がないままで育ち会社の検診で指摘されることもあります。
私どものクリニックでは、重篤な心疾患の患者さんが初診で受診されることはほとんどないのですが、特に健診や通常の診察で問題があった患者さんが紹介されてくることがほとんどですので、これらについて、ご説明することとします。
心雑音について
小児の場合、特に先天性心疾患を認めなくとも心雑音を指摘されることが多いといわれています。
この場合は健常児では機能性心雑音といって放置してかまわないものです。
先天性心疾患特に多いのは心室中隔欠損で、ごく小さな穴が心臓の壁に空いている病態の場合があります。この場合も経過観察のみでよいことがほとんどですが、時に大きい穴があるにもかかわらず、心雑音がほとんど聞こえない場合もあるので、単純な病気といえども注意が必要です。手術を要するような場合もあり、一度は検査を受けましょう。心雑音の患児は元気な子供が多いですから、全身状態がいいからと言って検査をあとまわしにするのは危険です。
この場合は健常児では機能性心雑音といって放置してかまわないものです。
先天性心疾患特に多いのは心室中隔欠損で、ごく小さな穴が心臓の壁に空いている病態の場合があります。この場合も経過観察のみでよいことがほとんどですが、時に大きい穴があるにもかかわらず、心雑音がほとんど聞こえない場合もあるので、単純な病気といえども注意が必要です。手術を要するような場合もあり、一度は検査を受けましょう。心雑音の患児は元気な子供が多いですから、全身状態がいいからと言って検査をあとまわしにするのは危険です。
心疾患の診断方法
心疾患の診断は聴診所見はもちろんですが、問診、胸部レントゲン、そして超音波検査で主たる疾患はほとんど診断がつきます。
心疾患の治療
心疾患の治療は必要ならば(専門手にはある一定の手術適応基準を満たしている)という事です。先ほども述べましたが、微細な疾患も多く経過観察のみでよいものがたくさんあります。こういった、軽微な疾患で悩むことはありませんので、積極的に検査を受けて、病気を明らかにしておくことが安心につながります。
ごく一部の疾患の患者さんは手術ないしは最近はカテーテル治療も普及してますので、手術しないで治ることも結構あります。主治医(小児科循環器専門医と心臓外科医)とよく相談して、将来を見据えて治療方針を最終的にはご本人、ご家族で決定するようにしましょう(専門家はもちろん病気の情報と選択肢を示します)。
ごく一部の疾患の患者さんは手術ないしは最近はカテーテル治療も普及してますので、手術しないで治ることも結構あります。主治医(小児科循環器専門医と心臓外科医)とよく相談して、将来を見据えて治療方針を最終的にはご本人、ご家族で決定するようにしましょう(専門家はもちろん病気の情報と選択肢を示します)。
小児期の問題となる不整脈
自治体にもよりますが、定期的に12誘導心電図を小学、中学校入学時(幼稚園や保育園の入学時)に行って、重篤な不整脈または重篤な不整脈の原因となる致死的な心電図異常をいかに事前に発見するかが、心電図検診の役割です。
先天性心疾患に合併して発症することもあるし、不整脈単独で認められることもあります。
致死的不整脈とは
先天性心疾患に合併して発症することもあるし、不整脈単独で認められることもあります。
致死的不整脈とは
- 心室性頻拍
- 心室細動
- QT延長症候群
- Brugada症候群
- 上室性頻拍症(心房細動型)
など、多数ありますが、各疾患の説明は文字では難しいので、当院では模式図を使用して説明しています。診察医にご相談ください。
小児の胸痛
胸痛を訴えること小児はしばしば遭遇します。
しかし、診察室に入って問診、身体所見などから、重篤な疾患が原因となっていることはほとんどありません。ご家族は生活習慣病から狭心症や心筋梗塞などの恐ろしい成人の病気を想像するので胸痛というとご心配され受診行動につながっています。
しかし、診察室に入って問診、身体所見などから、重篤な疾患が原因となっていることはほとんどありません。ご家族は生活習慣病から狭心症や心筋梗塞などの恐ろしい成人の病気を想像するので胸痛というとご心配され受診行動につながっています。
重篤な症状を認めない軽い胸痛
- 1)原因不明の胸痛
- 2)筋・骨格性胸痛
- 3)心因性胸痛
- 4)気管支喘息、気管支炎、胸膜炎
- 5)起立性調節障害
重篤な症状を呈する胸痛(見逃してはならない胸痛)
- 1)心筋炎
- 2)心筋症
- 3)自然気胸
- 4)心筋梗塞(川崎病の冠状動脈障害)、狭心症
- 5)開離性大動脈瘤(小児では極めてまれ)
小児ではほとんど問題のないものばかりですが、重篤な心筋障害を発見することもまれにあります。超音波検査で比較的簡単に診断できますので、必ず一度は、専門の先生に診療してもらいましょう。