花粉症とは
原因物質としては、日本ではスギが多く、花粉症の約70%がスギ花粉症と言われています。
症状は、くしゃみ、鼻水、鼻詰まりのアレルギー性鼻炎と目のかゆみ、充血のアレルギー性結膜炎が生じます。
また症状がひどくなると、咳がでたり、のどや皮膚のかゆみ、頭痛、倦怠感、微熱、不眠、下痢、からだや顔のほてり、イライラ感など、からだのあちこちに症状があらわれ、患者さまの中には、肉体的にも精神的にも意欲が低下して生活の質(QOL= Quality of Life)が大きく損なわれてしまうことがあります。
花粉症の治療
花粉症の時には耳鼻咽喉科にかかる方が多いと思いますが、当クリニックでも花粉症の診療が可能です。
毎年、花粉症の症状にお悩みの方、くしゃみ、鼻水、目のかゆみなどの症状がございましたら、お気軽にご相談ください。
花粉時期の対策について
花粉が多く飛散している日には外出を避ける、ゴーグルやマスクで防ぐといった対処も重要です。
また、シーズン中は酒量を控えるなどの体調管理にも気を付けましょう。
- 花粉の飛散情報に注意する。
- 飛散が多いときはできるだけ外出を控える。
- 花粉が室内に入ってこないように、窓や戸はできるだけ閉める。
- 外出時には、マスクやメガネをする。
- 帰宅時は、衣服をよく払ってから家に入る。
- 部屋の掃除をこまめに行い、空気清浄機を活用する。
- バランスの良い食事を心がけ、よく眠る。
- タバコを控える。
初期療法について
これを花粉症の初期療法といいます。通常は 花粉飛散開始日より2週間前から治療を始めるのが一般的です。心当たりのある方は、当院までお気軽にご相談ください。
~花粉症についての多いご質問~
花粉症は小児期にも増加していると聞きますがどの程度増えているのですか?
- 1. 花粉症とりわけスギ花粉患者は昭和50年から増加しており有病率16.5%(1998年)、26.5%(2008年)となっています。
- 2. 小児期に限って言えば、花粉症は著明に増加し、加えて低年齢化もあり、東京都や周辺の地域で特に顕著です。いずれの報告も1~2歳児で発症するとしています。ただし、今のところ乳児の発生は極めてまれとのことです。
検査データの意味を教えてください。
- 1. アレルギー性鼻炎では、鼻汁中の好酸球は診断的価値が高いとされています。陽性であれば、感染後鼻汁ではなく、アレルギー性鼻炎と考えるのが妥当です。
- 2. 血清総IgEは通年型アレルギー患者の1/3でしか異常高値とならず、スギ花粉症ではほとんど正常範囲といわれている検査で、このデータだけからでは、花粉症を推測することは不可能、経過観察にも不向きです。
年齢との関係は?
花粉症と「かぜ(急性上気道炎))との鑑別はどうしておこなうのですか?
- 1. スギ花粉が飛散する時期は多様なウイルスによる鼻炎も流行する時期であり、どちらが主な原因になっているか判断が困難なことがよくあります。
- 2. 鑑別のためには問診が重要です。かぜでは発熱、咽頭痛、咳、頭痛などの全身症状が認められることが多いのです。
- 3. 鑑別上もっとも有用な検査は鼻汁塗抹試験(鼻汁スメア試験)であり、綿棒で鼻汁または下鼻甲介粘膜表面を軽くこすってスライドグラス(ガラスの板)に塗抹し染色すると好酸球という白血球の一種でアレルギーが関与している細胞が観察されます。
- 4. アレルギー(アレルギー性鼻炎や花粉症)では多くの好酸球(陽性所見)がみられるのに対し、「かぜ」では好中球や上皮細胞が認められるのが通常です。
- 5. 次に行う検査はアレルギーの原因になっている抗原を検索することです。皮膚テストや、特異的IgE (RAST検査など)検査を行います。陰性の場合は花粉症は否定できます。
- 6. くしゃみ、水様性鼻漏(水鼻)にたいしては、「かぜ」であれ、アレルギー性鼻炎であれ、第2世代の抗ヒスタミン薬という薬を処方し、症状、鼻汁性状を経時的に観察すると1週間程度で両疾患の鑑別は可能です。
鼻汁の病理検査(スメア)を行われたのですがどんな意味があるのですか?
アレルギー性鼻炎において鼻汁中の好酸球の存在はその診断項目の一つでもあり、アレルギー疾患の重要な検査です。好酸球は鼻の粘膜に存在し、抗原(花粉や、ハウスダストなど)が侵入したら化学物質を遊離して鼻汁をだし鼻粘膜の腫脹や閉塞を起こします。
花粉症の最初の治療はどのようなものがありますか?
鼻汁中の好酸球で陰性の判定が出たのですが、アレルギー性鼻炎の薬がでました。これでよいのですか?
- 1. 反復する鼻汁、くしゃみ、鼻粘膜の腫れはアレルギー性鼻炎、好酸球増多性鼻炎、血管運動性鼻炎などあり、アレルギー性鼻炎以外の疾患では検査データは陰性のことが多く、症状が類似していることから同様の抗アレルギー剤を使用して治療します。詳細は個別に主治医に相談しましょう。
- 2. くしゃみ・鼻漏型(鼻水型)では第2世代抗ヒスタミン剤(ザイザル、アレグラやアレジオン、ジルテックなどがこれにあたります。)、ケミカルメディエータ阻害薬(インタール、リザベン、ザジテン)などがあります。
- 3. 鼻噴霧用ステロイド薬の効果と副作用はどのようなものでしょうか?
鼻噴霧用ステロイドは有効性は高く、くしゃみ、鼻閉、鼻漏のいずれの症状にもよく聞きます。経口抗ヒスタミン、鼻噴霧用抗ヒスタミン薬と比較しても効果は優れています。眼に関してもある程度の効果が見られます。副作用も非常に低く、「効果と安全性」が高いといえる治療薬です。
副反応の具体例を示します。
5歳から9歳の小児の成長をみた研究では、一年間ステロイド噴霧を投与した場合の副作用はほとんどありません。
また骨密度の低下に優位な変化もありません。
ステロイド噴霧は症状にコントロールできなければ回数は減らしていくことが大切です。
日本で噴霧薬が普及しないのは次の理由が考えられます。
- 1. ステロイドへの過剰な副作用の意識。→実際には上記のごとく副作用は軽微です
- 2. 点鼻役の小児への投与は若干煩雑で患者への説明を行う時間が少ない
など、日本の診療の事情があるように思われます。
どんな手術があるのですか?
- 1. 鼻腔の携帯を矯正し通気性の改善を図る鼻腔整復術
- 2. 下鼻甲介の粘膜を焼灼する手術;アレギルー反応を起こさせない手術
- 3. これらの手術療法は内服両療法が聞かない場合に限って行われる方法です
舌下免疫療法の実際
一方舌下免疫療法は安全性が高いと言われ、投与方法が簡単で、自宅で行える点ですぐれています。国際的にも広く普及している治療法です。
適応アレルゲンは現在我が国ではスギ花粉のみとなっていますが、今後ダニ抗原など徐々に多種類の抗原が適応になるものと考えらます。
ただ、日本人での臨床試験はまだ少数ですので、今後の結果の積み重ねが重要です。そのためには相当な時間も必要です。
現在国内では、12歳以上限定の患者で、医師もかなり限定的です。つまり、処方医は関連学会が認定された舌下免疫療法処方のプロセスを完結している医師のみに許可されております。一般的な方法についてはネット上などで情報を得ることができますが、実際にお薬が出せるかは個別の医院、病院にご相談ください。
自分ないし家族が本治療の適応になるかなど詳細な質問も登録医にお聴きください 。当院では院長が対応しておりますが電話でのお問い合わせはご遠慮ください。医院に直接お越しいただきご質問ください。