ダニのアレルギー性鼻炎およびスギ花粉症で
お悩みの方へ
舌下免疫療法とは
アレルギー性鼻炎や花粉症でお悩みの方へ一昨年度から国内でも開始されました「舌下免疫療法」について今日はご紹介したいと思います。
これまで行われてきました、皮下に薄めた抗原エキスを定期的に外来で注射していた減感作療法と原理はおおよそ同じですが、注射での方法は次に示す理由で治療として広く認められたものにはなりませんでした。
- ① 注射の痛みがある
- ② ショックの副作用(アナフィラキシーショックなど重篤な副作用の頻度(1000~3000回(700回)に1回)発生する
- ③ 1週間に一度の通院が必要、注射後に発作が起こる可能性がある
- ④ 患者様の負担が大きい。
以上の理由から、国内ではあまり普及しませんでした。しかし、国際的には膨大なデータの蓄積があり、有効であることが証明されている治療法です。
減感作療法に対して舌下免疫療法はこれらのダニやスギの抗原エキスを錠剤の中に含んだ舌下錠をなめて飲みこむだけでよい、重篤な副作用の頻度はおおむね1/1億回程度、1か月に1回の通院回数など、患者様のメリットが多く、認可が切望されていた治療法です。
花粉症は原因となる花紛が引き起こすアレルギー疾患です。よく問診でアレルギー疾患をお持ちの方がご家族でいませんか、との私どもの質問にうちにはそのような人はおりません、と答えてくれる患者さんないしご家族がいますが、すぐさま、では「花粉症は」?と聞くと私も主人もおばあちゃんも兄弟もなどと次から次へと出てくる場合がよくあります。なぜそうなるかと推察しますと。そのためアレルギー疾患と思っていない方がほとんどなのです。私はわざとアレルギー性花粉症と説明することにしています。
私どもクリニックでは、私からまず簡単に治療の説明を行った後、詳しいDVDを自宅に持ち帰って見ていただき、診療を始めるかどうかの判断を行います。もちろん、耳鼻科で行われている外科的な方法やレーザー治療のことも話します。その上で、患者様ご本人に最終的に始めるかを決定していただきます。
発症機序については、学術的にも明快とはなっておりませんが、ごく簡単に漫画を使ってご説明しております。
さて一番多いそして患者様として不安なのが副作用と効果(投与期間など)です。
副作用はさまざまの症状が一定の確率で発症〈予防接種と同じ程度の確率〉しますので〈軽度のものばかり〉この事をよく理解して始めるかどうかの判断を行ってください。
軽症の副作用
重篤な副作用
アナフィラキシーショックです。これは日本のデータではありませんが1/1億人程度の発症率で日本ではいまだ経験のない副作用です。
しかし命に直接かかわる重要事項ですので病院ではその準備を万全にし、発症したら最善を尽くします。
これは、内服後30分間、服用おおむね1か月以内などの特徴がありますが、激しい運動やアルコール飲酒、入浴などで誘発されることがあります。
十分気をつけましょう。症状が現れたらまずかかりつけ医へいていただき必要なら、提携施設に搬送いたします。
対応:軽症の副作用:自宅で対応は十分できます。万が一ご心配の場合は指定病院を受診ください。ショックの対応も同じですが、まずはかかりつけ医で手順に沿って進めてまいりますが、それでも全身状態の改善が見られない場合は提携病院に搬送します。
ここまでのところ理解できましたか?
そして、納得を得られたら開始しましょう。治療期間は長いですが、数か月で効果が表れることが多いのもこの治療の特徴です。
詳細をお知りになりたい方は通常通りの時間帯に受診ください。
子供も大人も受けられます。